[上映会]記述する方法 The way of description

【開催趣旨】
映像における「記述」のしかたを注視すること。それは、撮影をしたり編集をしたり、映像を作っていくうえでの「選択」のしかたを注視することかもしれない。
対象も方法もバックグラウンドもバラバラな6人は、それぞれ異なる独自の「記述」のしかたを持っているはずだ。6人の作品を一同に集めることで、その手つきをよく見比べてみよう。

参加作家:安藤美由、川畑那奈、北川光恵、佐藤帆菜、田中くるみ、湯田冴

日時:2024年12月22日(日) 12:00-20:00  ※出入り自由。17:30から作家によるトークイベントを開催。
コ本やは上映会参加者のみの貸切営業となります。
会場:theca(コ本や内)東京都新宿区山吹町294 小久保ビル2階

入場料:800円(税込), 学割 500円(税込)
チケット予約https://screening-twd.peatix.com
お問合せ:kurumi.tanaka09@gmail.com(担当:田中くるみ)

webhttps://honkbooks.com/screening-twd
企画:田中くるみ
協力:コ本や honkbooks

※上映プログラムを公開しました。上映時間は合計66分程度。(※2024/12/20 更新)


【企画者ステートメント】
今年の夏、私は1月1日に発生した地震で様変わりした能登半島の風景を目にした。
能登に赴いたのは、災害支援ボランティアに参加するためだった。
現地の状況を知りたい。この目で見たことを記録して報告しよう。
能登で撮影した写真を使って作品を作ろうと、書き溜めてきた自分のノートには、「どう書けばいいんだろう」という言葉が繰り返されていた。

能登では、壊れた家具と家の破片や、津波で漂流した漁具が、仮設のごみ捨て場に運ばれていた。壊れた街をカメラを持って歩きまわる一方で、消化できていなかった感情が湧き上がる。13年前の東日本大震災のこと。その震災で被害を受けた岩手県で過ごした中高生時代のこと。故郷を離れ建築を勉強していた大学時代のこと。

かつて被災した自分。被災した故郷を見ていた自分。災害が起こる島国で、街や建物をつくる方法を勉強していた自分。いま被災している能登。それを見ている自分。視点が次々に変わって、自分の立ち位置が混乱していく。

「記述する方法」を問うことで、いまの自分の視座を確かめてみたい。

(田中くるみ)


上映プログラム】 約66分

佐藤帆菜/Hanna Sato《ヒーローインタビュー》5分、《羊》12分
北川光恵/Mitsue Kitagawa《影が感じた光》4分37秒
川畑那奈/Nana Kawabata《永久点》10分4秒
湯田冴/Sae Yuda《重力のあるところ》6分
安藤美由/Miyu Ando《幻の穴》6分、《スキンシップ》6分
田中くるみ/Kurumi Tanaka《能登レポート》12分

上映プログラム外で、北川光恵《記憶観察I》を会場内で展示しています。

※上映は12:00より開始します。以降ループで再生いたします。

【トークイベント】
時間
:17:30~
作家によるトークイベントを上映にあわせて開催いたします。


【作家プロフィール】

安藤美由/Miyu Ando アーティスト
ある場所に居る、あるものに触るなど身体にまつわる体験を、主としてカメラを用いて記録し、それらを集積させることによって作品を制作している。
note.com/nyun

川畑那奈/Nana Kawabata アニメーション作家
トランス・スケールな物語を生み出す装置として、風景アニメーションを制作する。アニメーションによって風景は呼吸し、有機的で身体性を持つ存在へと変貌する。その中に描かれる匿名的な生命体は触媒となり、鑑賞者は自然と人間、人間同士、人間と微生物といった多元的な生態系の物語を見出す。
https://nanakawabata.com/

北川光恵/Mitsue Kitagawa アーティスト、研究者
1998年東京都生まれ。東京芸術大学美術研究科先端芸術表現科専攻修了。 主に写真や映像、テキストを扱い、私的な出来事が外へ向かう瞬間に現れるものを記述しようと試みている。
https://x.com/32e_ktgw

佐藤帆菜/Hanna Sato 画家、詩人
1999年生まれ。詩と絵を制作している。詩画集『ゆっくりと、明るく、時々フルーツが動きます』(2024年)販売中。
https://www.instagram.com/satohan8/

湯田冴/Sae Yuda アーティスト
1998年東京生まれ。他者や他種との邂逅によっておこる出来事への関心から、特定の事物や場所についてのドキュメントを複数の視点から結び合わせ、写真やインスタレーション、テキスト等の表現によって物語的経験を制作する。
https://saeyuda.com/wp/

田中くるみ/Kurumi Tanaka アーティスト
岩手県生まれ。土地と人間をよく見るための手段として映像や言葉を使って制作を行う。自主レーベル「Hoya Book」より、手製の本を発行。千葉大学工学部建築学科卒、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。
http://kurumitanaka.com/