ゆめをてわたす vol.2 ──2つの詩のzineとコ本や、これまでとこれから──

ゆめをてわたす vol.2 ──2つの詩のzineとコ本や、これまでとこれから──

2020年2月20日
ゆめをてわたす

コ本や honkbooks ✕ て、わた し ✕ ゆめみるけんり トークイベント

|日時|2020年3月14日(土)14:00-16:30(13:30開場)
|会場|theca(コ本や honkbooks内)アクセス
※会場へのアクセスが非常に複雑となっておりますので、必ず事前に確認の上お越しください。
|参加費|2000円 要予約
|定員|30名
|お問合せ|コ本や honkbooks
mail. honkbooks@gmail.com

池袋に移転した「コ本や honkbooks」と、2つの詩のzine『て、わた し』、『ゆめみるけんり』──ひょんなきっかけでつながったこの3者で語り合うトークイベントです。(*vol.1は西荻の忘日舎にて行いました。→「ゆめをてわたす vol.1」

芸術と本屋、詩と社会。私たちは、やり方はそれぞれですが、ある問題意識をゆるやかに共有しているように思います。つまり、私たちの実践は、「この生きづらい社会の中で、いったいどうやって芸術や詩のための場所を守っていけるだろう?」ということを、自分や世界に向けて問いかけます。

このトークイベントでは、3人がそれぞれの活動について紹介するとともに、社会の中での芸術、社会の中での詩のあり方・その未来をめぐって、おしゃべりをする予定です。参加されるみなさんもまじえ、これからの詩や芸術のための場のあり方について、一緒に考える時間にしたいと思います。

コ本やは、芸術に関する活動を行ってきた3人のメンバーを中心に創設されました。新しいアートスペースのあり方を考えたときに、本屋の「ふらっと入って来れる良さ」、間口の広さと、本を通じて情報や発想と出会うことに着目して、本屋という形態を戦略的に選んで創業されたと聞いています──そんな視点が、一般的な「書店」とは一味ちがいます。コ本やは、アートスペースと本屋の狭間にあって、そのどちらでもないけれども、どちらでもある、新しいコミュニティの形を模索しています。

『て、わた し』は、千葉や国立でポエトリーリーディングを主催するなど、詩の世界で活躍する山口勲さんが刊行する詩のリトルプレスで、海外と日本の詩が対バン形式で紹介されているのが特徴です。海外でいまリアルタイムで読まれている詩を知る機会は、そう多くはありません。しかし、同時代を生きる人たちのことばは、国境を越えて誰かの「いま」に寄り添うことができる。『て、わた し』は、存在そのものが架け橋となって、知らない世界とことばを共有する可能性を教えてくれます。

翻訳詩と生活のzine『ゆめみるけんり』は、大学で外国文学に触れて生きてきたメンバーを中心に、2017年に創刊されました。私たちの原点は、大学卒業後、「満員電車の中でも」なお詩のための場所を確保するためには何ができるか?というごくパーソナルな問いかけにあります。しかしフェミニストたちが言うように、個人的な問題は常に政治の問題でもある。ポケットにナイフを忍ばせるように、詩を。社会の中にあって、私たちの生きることを諦めないための試みとして、ゆめみるけんりはzineの刊行と並行し、定期的にブッククラブも開催しています。

今回、コ本やのリニューアル・オープン、『て、わた し』の第7号(特集:フラニー・チョイ―導くための声)刊行、『ゆめみるけんり』のvol.4(特集:手紙)刊行を記念して、私たちのこれまでの活動の意味を刻印し、これからにつなげていくために、トークイベントを行います。

|出演者|
青柳菜摘(あおやぎなつみ) fromコ本や honkbooks
1990年東京生まれ。アーティスト。「彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人,あるいは現代のプロメテウス」 (NTTインターコミュニケーション・センター [ICC], 2019)、「孵化日記 2014-2015」(第10回 恵比寿映像祭, 2018)など。「だつお」というアーティスト名でも活動。コ本や honkbooks主宰。

山口勲(やまぐちいさお)fromてわたしブックス
1983年東京生まれ。経理。ポエトリーリーディングのイベント千葉詩亭(大島健夫と共催)・くにたちコミュニティリーディング(国立本店と共催)。アメリカ合衆国のトランスジェンダーの詩人のアンソロジー『Subject to Change: Trans Poetry & Conversation』を翻訳したい。

工藤順(くどうなお)fromゆめみるけんり
1992年新潟生まれ。労働者。アンドレイ・プラトーノフ『不死』(未知谷、2018)編訳、『チェヴェングール』翻訳中。ロシアに生まれられなかった後悔を胸に、何とか生きている。