韓国現代美術史レクチャー・シリーズ(全5回)

時期:2023年7月-12月
(第1回:7月17日[月祝]、第2回:8月27日[日]、第3回:9月30日[土]、第4回:11月12日[日]、第5回:12月16日[土])(※2023年9月16日更新)
時間:17:00-19:00(16:45 開場)
会場:theca(コ本や内)
住所:〒162-0801 東京都新宿区山吹町294 小久保ビル2階
講師:権祥海(レクチャー)、長谷川新(聞き手)
料金:会場参加チケット 各回2,000円(学生1,000円)、全5回通し券8,000円(学生4,000円)※通し券は8/26(土)までの申込限定
アーカイブ映像配信 各回1,800円、全5回通し券 7,800円
Peatix アーカイブチケットhttps://kcah2023-archive.peatix.com
定員:20名
WEBhttps://honkbooks.com/kcah2023
企画:権祥海
協力:長谷川新、コ本や honkbooks

※会場参加チケットをご購入の方は、購入された回のアーカイブ映像も後日ご覧いただけます。
※会場参加の全5回通し券をご購入された方で、会場参加が難しい日程がある場合は、各回開催5日前までに欠席の旨をご連絡ください。定員把握のため、ご協力をお願いします。
※会場参加の全5回通し券について定員20名分売り切れた場合、以降の各回チケットは販売しない可能性がございます。
※アーカイブ映像配信チケットをご購入の方には、各回開催後、一週間以内に視聴URLをお送りします。
※アーカイブ映像は、チケットをご購入いただいたご本人のみのご視聴に限らせていただきます。


趣旨】

韓国の現代美術を思い浮かべる時、どのようなイメージを想像するだろうか。ス・ドホ、イ・ブル、キム・スジャ、ヤン・ヘギュのように、世界で知られるアーティストを想起する人もいるだろうし、近年、フリーズ・ソウルを含むアートマーケットの隆盛を見て、「盛り上がっている」雰囲気を感じる人も少なくないだろう。また「あいちトリエンナーレ2019」での《平和の少女像》に対する展示中止事件をきっかけに、作品の背景にある韓国の「民衆美術」に関心を持つ人もいるかもしれない。

日本と韓国は、政治・経済・歴史など、生活や表現の土台をなすあらゆる面を共有しており、互いを参照することが多い。しかし、日本において韓国現代美術は、意外と言っていいほど部分的・断片的でしか紹介されて来なかった。韓国現代美術に関する展覧会や日本語に訳された書籍としては、1980年代の「民衆美術」がようやく紹介されはじめた程度である。

本レクチャー・シリーズは、このような背景を踏まえ、「共集と運動」を軸に韓国現代美術の全体像を概観するものである。韓国現代美術の歴史は、戦争、独裁支配、近代化、民主化、国際化といった激しい時代の変化の中で継承と断絶を繰り返してきた。そこには、人々の集まりやうごめきがムーブメント、アクション、ジェスチャーを成してきた歴史が垣間見れる。

各レクチャーでは、韓国現代美術における芸術実践を時代ごとの政治・社会・生活の様相と共に読み解いていく。また聞き手としてインディペンデントキュレーターの長谷川新を招き、日韓の現代美術における同時代的な関連性や、日本で韓国現代美術史を学ぶ意義を浮き彫りにする。

レクチャー概要】

第1回(7月17日[月祝])「1940-50年代:変革期の美術」
日本植民地期、解放期、朝鮮戦争期を経験する変革の時代、美術家たちは社会主義と民主主義のイデオロギーに翻弄されながら公募展や小規模集団を組織した。民族的な文化遺産を反映する絵画やアンフォルメルの影響を表す絵画が共存するなかで、国家のアイデンティティや美術制度と向き合った美術家たちの活動を作品と共に紹介する。

第2回(8月27日[日])「1960-70年代:実験美術と美術集団」
軍事クーデターで成立した朴正熙軍事政権下、パフォーマンス、オブジェ、実験映画、ビデオアートといった美術の内容や形式の拡張を目指した「実験美術」が様々な美術集団によって試みられた。国家保安法によって前衛的な表現への弾圧が強化されるなか、産業化・都市化の弊害、政治的な抑圧、既成社会への批判などを表現に反映した。

第3回(9月30日[土])「1980年代:民衆芸術と文化運動」(※2023年9月16日更新)
長きにわたる軍事独裁の雰囲気のなかで、既存の形式主義的な美術界に対する反省として、美術を通して社会について発言し民主化運動と伴走する民衆美術が現れた。政治集会や路上デモなどの現場で、版画や掛け絵、壁画が提示され、都市開発、資本主義社会の矛盾、労働環境、農民の生活、女性など、社会現実の断面を主題として表出した。

第4回(11月12日[日])「1990年代:新世代、ポスト民衆美術」(※2023年9月16日更新)
グローバル化、冷戦終息に伴い現代美術の同時代性が議論されるなか、「新世代美術」グループは、インスタレーションや映像などを駆使し、大衆文化と商品美学、都市の日常をテーマにキッチュな感覚を表した。一方「ポスト民衆美術」は、民衆美術の遺産を批判的に検証しながら、公共空間におけるアクティヴィズムや社会介入を展開した。

第5回(12月16日[土])「2000年代以降:多元芸術、コレクティブ」(※2023年9月16日更新)
大衆・消費社会、デジタル時代が定着する一方で、複数のアーティストが協働して多文化主義や都市再開発などを考える場や共同体を模索するコレクティブ活動が見られるようになる。また現代美術と舞台芸術の相互的な拡張や、様々な学問領域の学祭的な融合と交錯、コラボレーションを特徴とする「多元芸術」と呼ばれる傾向が活発化する。


【プロフィール】

権祥海
キュレーター。1990年生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻博士課程修了。現代美術と舞台芸術を横断するキュレーション、プラットフォーム運営、執筆活動を主軸に、パフォーマンスにおける共集性、個人や共同体のトランスナショナルな歴史実践を捉える。2022-23年(仮)港区文化芸術ホールアソシエート・リサーチャー、国際交流基金舞台芸術国際共同制作オブザーバー。現在、さいたま国際芸術祭2023現代美術コーディネーター、パフォーマンスプラットフォームStilllive共同代表。主な企画に「覚醒と幻惑:見えないものとの対話」(ゲーテ・インスティトゥート東京、2022年)、研究に「東アジアにおける歴史実践としてのパフォーマンス-イム・ミヌク、高山明(Port B)、ワン・ホンカイを中心に-」(博士学位論文、2022年)など。

長谷川新
インディペンデントキュレーター。1988年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。「過去は過去のままでいられないし、今も今のままでいられない」と思っている。PARADISE AIRゲストキュレーター、相談所SNZ、国立民族学博物館共同研究員(2020-23)、日本建築学会書評委員(2018-23)など。主な企画に「無人島にて—「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」(2014)、「パレ・ド・キョート/現実のたてる音」(2015)、「クロニクル、クロニクル!」(2016-17)、「不純物と免疫」(2017-18)、「STAYTUNE/D」(2019年)、「グランリバース」(2019-)、「約束の凝集」(2020-21)、反戦展(2022-23)など。「日本戦後美術」を再検討する「イザナギと呼ばれた時代の美術」を不定期連載中(Tokyo Art Beat)。高橋沙也葉・松本理沙・武澤里映・長谷川新の4人でジュリア・ブライアン=ウィルソン著『アートワーカーズ(仮)』を翻訳中。