Kanzan Curatorial Exchange 「残存のインタラクション」vol.2
企画:和田信太郎|施工:清水玄|広報:玉木晶子|協力:コ本やhonkbooks
会期:2018年 3月9日(金)- 4月8日(日)
12:00-19:30/日曜17:00まで/月曜定休/入場無料
会場:Kanzan gallery
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-3-4 KTビル2F
http://kanzan-g.jp/index.html
tel. 03-6240-9807
▶OPENING RECEPTION : 3月9日(金)17:30~19:30
▶ゲストトーク :
・中尾拓哉(美術評論家)3月31日(土)19:00-20:30
・三輪健仁(東京国立近代美術館主任研究員)4月7日(土)16:00-17:30
ほか、調整中 *いずれも予約不要、無料
>>Press Release は記事の続きを御覧ください
▶同時開催
コ本や企画展示 原田裕規「回顧展」
会期:2018年3月23日(金)〜4月15日(日)
会場:コ本や honkbooks
ゲストトーク:飯盛希、上崎千、その他ゲストを予定
原田裕規 Yuki Harada
1989 年、山口県生まれ、千葉県在住。美術家。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。
社会の中で取るに足らないとされている「にもかかわらず」広く認知されているモチーフを取り上げ、議論喚起型の問題を提起する作品で知られる。作品の形態は絵画、写真、インスタレーションなどに加えて、キュレーション、テキストライティング、書籍製作など幅広い。代表的なプロジェクトに「ラッセン」や「心霊写真」を扱ったものがある。主な著作に『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013 年)など。
美術家・原田裕規の個展「心霊写真/ニュージャージー」を開催します。
本展は、原田が2012 年に行った「心霊写真」展(榮龍太朗との共同企画)、2017 年に行った「作者不詳」展に続く「写真シリーズ」の総集編に位置付けられます。展覧会場では、それぞれ異なるタイムラインに属する2 つの展示が並走するように、全体は「心霊写真編」と「ニュージャージー編」で構成され、イメージの周りを囲い込む2 つの時間を往来するような体験が得られるでしょう。
「心霊写真編」では、原田が様々な場所で「発見found」した心霊写真が、その手法自体を「ひけらかす」ように展示されます。「ニュージャージー編」では、原田がニュージャージーに赴いて撮影した写真を「自ら発見したものfound-photo」と思い込み、撮影者の気持ちを想像して書いた「通信」を添えることによって「架空の作者」を立ち上げることが試みられます。
このような方法で展示が行われるのはなぜでしょうか?
原田はこの展覧会を実現するにあたり、ニュージャージーで滞在制作し、日本国内でおよそ1 年間にわたり古物商や産廃業者として写真を収集してまわりました。
その結果、数千枚の写真を手にした原田が直面したことは、キャプションが付随しない写真を見ることの困難さでした。誰が・何を・なぜ撮ったのかもわからない膨大なイメージに囲まれたとき、そこには強迫観念に近い不安感が生み出されたのです。
しかし、かたやそこに「記念写真」「芸術写真」「心霊写真」などといった認識のフレームが与えられた途端に、その困難が忘却されてしまうことにも気が付きました。そこで、自ら撮影した写真に向けられた眼差しを囲い込む「愛着」についてさえも疑いの目を向けるようになり、しかしその愛着をぎりぎり捨てきることもできない状態に「宙吊り」になることを選択し、これら2 つの時間が並走するような展覧会が実現しました。
本展の開催にあわせて、作家にとっては初となる「写真集作品」も会場で発表・予約販売されます。
みなさまぜひ、原田の新しい展開をご高覧ください。