[EVENT]OPEN LECTURE《忘れるための言葉、記憶にとっての技法》
管啓次郎×カニエ・ナハ×青柳菜摘

あらゆるものが記録され、記述され、登録されることで、インターネットやソーシャルメディアを通して自分がいる場所から離れることの抵抗感が薄れてきています。
一方で、生まれた土地からやむを得ず離れなければならない状況も起きている現代においては、記憶にとっての技法や、言語のことを考えざるを得ません。
『Agend’Ars (Complete)』のあとがきに記された「mnemotechny(記憶術)」という語を手がかりに、移動する身体や言語、そして詩の発生する場をめぐって「記録」と「記憶」の関係を再考します。
管啓次郎、カニエ・ナハ、青柳菜摘が、それぞれの実践から、言葉と記憶の技法を論じます。
登壇|管啓次郎[詩人, 批評家]、カニエ・ナハ[詩人, RAMゲストフェロー]、青柳菜摘[アーティスト, RAMフェロー]
日時|2025年10月29日[水]19:00 ‐ 21:00
会場|theca(コ本や内)〒162-0801 東京都新宿区山吹町294小久保ビル2F
参加費|無料/要予約
定員|25名
予約フォーム|https://forms.gle/2CKcQbEMiBpz21XZ7
WEB|http://geidai-ram.jp/ram2018wp/ol20/
お問い合わせ|geidairam@gmail.com
主催|東京藝術大学大学院映像研究科 RAM Association
助成|令和7年度 大学における芸術家等育成事業
【プロフィール】

管啓次郎 Keijiro Suga
詩人、批評家。明治大学理工学研究科建築・都市学専攻「総合芸術系」教授。1958年生まれ。身体と想像力の中に流れこむ地水火風の自然力を主題として創作と研究をつづけてきた。ヒトと動植物菌類鉱物との関係をいかに捉え言語化するか。環境破壊がここまで進んだ以上、人類の自己収縮こそ喫緊の課題だと考えている。1980年代後半に出版されたリオタール『こどもたちに語るポストモダン』、マトゥラーナとバレーラ『知恵の樹』以後、フランス語・スペイン語・英語からの訳書は30冊を超える。旅行批判の書『斜線の旅』にて読売文学賞受賞(2011)。詩人としては9冊の日本語詩集と2冊の英語詩集を発表し、20カ国以上の詩祭・大学で日・英・仏・西語による招待朗読を行ってきた。多摩川流域在住。
Photo: はぎひさこ

カニエ・ナハ Kanie Naha
詩人。2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。 詩集『用意された食卓』でエルスール財団新人賞、第21回中原中也賞。手製本による詩集プロジェクト、詩をメディウムとしたアート作品の制作、朗読パフォーマンス等を行っている。近年の主な詩集に『ES』(2025)、『逗子』(2025)、『思想』(2024)、『メノト グリッド』(2024)等。主な展示に「GEIDAI BIBLIOSCAPE 2024」(東京藝術大学附属図書館)、「さいたま国際芸術祭2020」、「MOTサテライト2017 春」(東京都現代美術館)等。2025年9月、初期の3詩集『オーケストラ・リハーサル』『MU』『用意された食卓』と、30部限定で販売された『多島海をめぐる三十の断章あるいはダンス・ショウ』を収めた初の集成詩集『カニエ・ナハ詩集』(青土社)を刊行。

青柳菜摘 Natsumi Aoyagi
アーティスト、詩人。映像メディアを用いた同時代芸術のアーティストとして、フィールドワークやリサーチをもとに、プロジェクトベースに主題を立て作品を発表している。近年の活動に個展「亡船記」(十和田市現代美術館サテライト会場 space, 2022)、「ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ」展(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC], 2024)など。詩集『そだつのをやめる』(thoasa, 2022)が第28回中原中也賞受賞。コ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。
